蜷川実花展@いわき市立美術館で見た、新たな作品性

蜷川実花展

土屋アンナさん主演・椎名林檎女子が音楽監督を務めた映画作品「さくらん」。
蜷川実花さんのことを初めて知ったのはこの作品でした。

当時、劇場ではなく自宅にて、重くて古いノートPCでDVDを再生したと記憶しています。
DVDドライブの「ウィィィーーー」っていうけたたましい起動音とともに拝見しました。笑
もう10年以上前のことではないですか。
時の流れ残酷すぎィ・・・

さて、去る2019年4月13日~5月26日、いわき市民美術館にて
蜷川実花展 -虚構と現実の間に-」が開催されました。
いわき市内の至る所でポスターを目にしましたね!
実際に見に行かれた方もかなり多かったのではないでしょうか。

蜷川実花展「桜」

蜷川実花展

蜷川実花さんといえば、最初に思い浮かぶのはやっぱり「極彩色」。
目がくらくらするような鮮やかさと、被写体から立ち昇るただならぬ色気…。
そう。「DEATH NOTE」関連の冊子「L FILE No.15」では、
映画版でL役を演じた松山ケンイチさんの写真を蜷川さんが撮っていましたね。

原作のL、だいぶ好きでしたが、松ケンLもまたすばらしかった・・・。
セリフの言い回しがとくに好きでした。
あと、細長くて白くて美しい”おてて”が堪らなくて。。。
この本は買ったら絶対やばい。
そう言い聞かせてなんとか踏み止まったあのときの私が居りました。笑

蜷川実花展

そんな蜷川さんの作品は、度々目にすることはあれど、正直自分の中では「蜷川実花=色」であり、
それ以上知ろうとしたことが無かった。
今回の写真展を見に行くときもそうでした。

でも、今回はじめて「被写体が人物でない作品」を見て、その印象がかなり変わりました。

被写体をどのように撮影しているのか、ぱっと見て分からない、とても不思議な作品でした。

父・蜷川幸雄さんの死に向き合いながら制作されたという《うつくしい日々》。
病室の窓の外に見える風景とか、横断歩道を渡るサラリーマンの足元とか、外壁に落とされた電柱の影とか。
どこかさみしい雰囲気。
作品を見る目に、ざらっとしたフィルターがかかるような気がする。

蜷川実花展

展示の1番最後のエリアです。
ここだけ照明が落とされていて、作品にスポットが当てられています。
見ている人も自然と会話が少なくなり、しんとした雰囲気。

蜷川実花展

ちょっとこの写真だと見づらいかな?
真ん中の写真に映っているのは、多分桜の花。
ただ、この桜をどの位置からどう撮っているのかがはっきりしない。
散った花びらが全体広がっているように見えるけれど、本当は?
雨が降って、木からコンクリートに花びらが落ちて、コンクリートに光が当たって反射している、とか。

そんなことを考えなくても、シンプルに、作品の美しさや儚さを味わうだけでもいいのだと思うのですが。
普段知っている作品とはだいぶ雰囲気が違うので、気になって色々検索とかしてしまいました。笑

調べる限りでは、この写真はやはり桜で、目黒川で撮影されたものだそうですね。
コンクリートだと思ったところは川面でした。

ここまで状況が分かっても、撮った写真がこう仕上がるって、不思議。。
最近少し一眼レフを触り始めたところだったので、技術的な部分で
「いったい何をどうすればこうなるの?????」と、とても気になってしまいました。

蜷川実花展

今回の写真展を通して、自分にとって新しい蜷川実花さんの作風を知ることが出来ました。
不思議で儚くて、そんな作品ももっと見たいなと思ったのでした。

本日のカラーパレット「蜷川実花展」

蜷川実花展カラーパレット

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